広大な世界で紡がれる人間ドラマ、爽快なアクティブバトル。
ファミコンRPGの隠れた名作、ミネルバトンサーガをプレイしてみました。
第一印象は、剣と魔法のRPG。見下ろし2Dマップで世界を巡る、お馴染のスタイル。
そんな本作の世界は「ドラクエ2の4倍の広さ」と、当時の広告で謳うほど広大。
街やダンジョンを巡り出会う人々には、主人公と行動を共にする人も。
3人パーティで出会いと別れを繰り返す旅路。人と人が繋ぐドラマが物語を彩ります。
独創的で面白いのが戦闘システム。敵と遭遇し、見下ろし2Dマップから同形の戦闘画面へ。
敵と味方が入り乱れて戦う、リアルタイムのアクションバトルが楽しい!
敵への体当たりで肉弾戦、飛び道具で遠距離射撃。仲間はAIで自主的に行動。
傭兵を雇えば戦闘はフルオートに、また敵から確実に逃げられる点も快適。良く考えられてます。
じっくり時間を掛けて世界を回り、無事にクリアー。
セールスポイントの広大な世界は、確かにボリューム感たっぷり。
同時に、広い世界の移動手段が徒歩と船のみなので、多少の億劫は感じました。
物語の展開が、旅に同行する仲間の出会いと別れで繋がるのは面白い。
反面、仲間は定着せず成長要素も無いので「育てる楽しさ」は薄い。
その辺を「傭兵の育成」でカバー?傭兵システムも本作の特徴ですね。
傭兵は強さに応じてランクが有りまして、自分は最終的に全員最強のゴッドバンドへ育成済み。
戦闘はアクションゆえ、避けに徹し飛び道具の物量投入で押し切れる。コレ良い点ね。
そんな戦闘スタイルで高レベルの敵を倒せば、一気にレベルアップして爽快&快適。
戦闘中に敵から毒を喰らい、アイテムや魔法で解毒するのはRPGのお約束。そんな毒も本作だと一味違う。
毒には8段階のレベルが有り、レベルに応じて必要な毒消しの数が変化。レベル6の毒だと毒消し6個使用みたいに。
さらに各レベルの毒に名称(レベル1は「ドヌイ」)も付けられている、並々ならぬこだわり。
毒の名称はレベル順に頭文字で並べるとドレミファソラシド…こういうセンス、好きです。
ゲーム進行に沿って街の人々の会話が頻繁に更新されるのは本作の魅力。
反面、情報の整理が追いつかず「次の目的」を見失いがちに。重要事項はメモを取り推奨。
物語で縛らない自由度の高さと、快適で爽快なアクションバトルは本作ならでは。
ダンジョンなどは比較的広い物が多く、特に最終エリアへの道のりは大変。
重要イベントを忘れて宿敵ラゴンに挑み惨敗したのも、今となっては良い思い出。
古き良き、ファミコンRPGとして優良と言えるミネルバトンサーガ。
価格も手ごろで程よい難易度と、今さらながら良い作品に出会えた。当時プレイしなかったのが悔やまれる。
RPGファンならミネルバトンサーガは体験しておきたい…そう思えるゲームでした。
- メーカー:タイトー(開発アーテック)
- 発売日:87年10月23日
- メディア:カートリッジ(2Mbit+バッテリーバックアップ)
- 雑誌評価:20.93/30.00(ファミマガ) 26/40(ファミ通)