ゲーム

FC インドラの光

シンプルなタイトル。セーブファイルは3つ。

ファミコンの『スパイvsスパイ』が著名な、ケムコ制作「超本格」RPG。

SFテイストのバックストーリーに、剣と魔法の王道ファンタジーを繰り広げる。

ゲームはプレイヤーの名前入力からスタート。

一見するとドラクエライクなRPGを伺わせるも、実はナカナカの個性派。

トップビューのマップ画面は、ゼルダやハイドライドの様な画面切り替えスクロール式。

マップは2D画面切り替えスクロール。赤い風船が敵キャラのシンボル。

ワールドマップのには多数の隠し部屋が有り、岩を動かす事で発見。

特定のキャラのみ動かせる岩が有るなど、この隠し部屋の探索がナカナカ面白い。

岩に向かいコマンドで「動かす」を実行。すると…。

隠し部屋の中にはお宝が有ったり、呪術使いが済んでいて魔法を教わったり。

岩を動かして隠し部屋を探すが面白く、画面切り替えスクロールとも相性抜群!

岩の下、隠し部屋でお宝発見。これが楽しい。

そんなゼルダ的楽しさだけに留まらないのが本作。戦闘はドラクエに習いコマンドバトル。

見方は最大3人パーティで敵は1体と、煩雑さを排除した分かりやすいスタイル。

万人に愛されるコマンドバトル。

ゼルダが持つ探索の面白さと、なじみ深いドラクエの戦闘のを組み合わせた良いとこ取り。

ゼルダ+ドラクエ=インドラの光は超面白い!…超は言い過ぎながら、普通に面白いです。

街のお店で買物。RPGの基本ですね。

良いとこ取りのシステムに盛られたゲームの味付けは、遊び心やこだわりを感じる点が多い。

例えばアイテムの「酒」はMPを全快する効力を持つも、酒に弱いキャラクターが飲むと…。

RPG定番アイテムの薬草は…「やくそう」「ヤクソウ」?肉やパンも有るし。

薬草はやくそうでヤクソウ…?

魔法は各地に居る呪術使いから教わるも、まずは呪術使いの言葉を理解する事が必要だったり。

細やかな工夫、味付けが良いアクセントになってる。

この人が呪術使い。言葉が解らないと理解できない。

世界を回り各所を探索、敵と戦い成長するRPGの醍醐味は当然の旨味はしっかりと。

さらに隠し部屋探しや多くの仲間と出会い、別れを繰り返す人間ドラマは本作ならではの魅力。

敵は平原、森、荒れ地で強さのランクが異なる。

ただ、少々こだわりが強過ぎてネガティブな部分も感じられる。

仲間になるキャラには歩くのが速い人と遅い人が居て、道中ではぐれてしまう事が。

相応の頻度で起こるので、気を使いつつの移動や、はぐれた場合の一手間が結構面倒。

最初に出会う仲間、サバ。力持ちだけど足は遅い。

死者の復活も、魂を呼び戻してから死んだ場所で魔法を唱える2段階方式。

この辺はもう少しストレスフリーを優先して欲しかったのが正直な感想。

死者の復活方法も独特。死なせちゃイカン。

特に困ったのは、登場人物との会話アクションが非常にシビアな点。

人物と真正面の体当たりで会話になるが、動く人物の真正面を捉えるのが実に難儀。

会話関係のキツさを除けば、その他の快適性は「もう少し頑張れば嬉しい」。

ケムコ第一弾?のRPGと考えれば、インターフェースの完成度はギリギリ許容範囲。

動いてる人に話しかけるのが結構大変。店員とか看板は問題なし。

面白い部分も面倒な部分も、そして改善して欲しい所も感じられる本作。

87年と言えばRPG人気に火が点き、急速な広がりを開始した「ファミコンRPG元年」。

特に87年秋~冬はファミコンRPG大豊作期で、そんな中誕生した一つがインドラの光。

そんな時代に生まれた「昔のRPG」を考慮すれば、至らない点も多少は許容できるかと。

有名作では味わえない独自の面白さを持つインドラの光。手堅く楽しめるRPGの佳作。

ゲーム冒頭で流れるプロローグ。
  • メーカー:ケムコ
  • 発売日:87年10月20日
  • メディア:カートリッジ(1Mbit+バッテリーバックアップ)
  • 雑誌評価:19.87/30.00(ファミマガ) 27/40(ファミ通)

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