ギリシア神話の英雄、ヘラクレスをモチーフにしたRPGシリーズ第二作目。
定評を持つ反面、良くも悪くも「ドラクエ」を連想させるゲームスタイル。
オリジナリティとオマージュが鬩ぎ合う、本作のアイデンティティとは?
当時シリーズ第一作目をプレイしクリア、個人的に好印象な作品でした。
そんな前提で始めた本作。見た目、システム周り…
プレイして早々「ドラクエに迎合しすぎ」と感じました。悪い意味で。
前作はドラクエを意識しつつも、システム面や作風でしっかり独創性を発揮。
武具の耐久性、リアルデザインのモンスター、武器の使い分け…どれもが魅力として光る。
逆に本作は独創性を排除し、極力ドラクエに習った作風に。
前作よりも遊び易い、人を選ばないメリットは感じました。
しかしメリット以上に、本作ならではの魅力も薄く、物足りない印象が。
「これならドラクエで良いじゃん」「2流のドラクエ」なんて思いさえ…ウーム。
やっぱり「その作品だから楽しめる魅力」って大事だなと。
ゲームとしてはしっかり作られている分、余計に勿体ないです。
時折プレイのモチベーションを下げながらも、滞る事なくクリア。
繰り返しになりますがゲームの出来は水準に達しており、普通に楽しめました。
気になったのは特定の敵?と戦う際、武器が壊れる事が何度か有りまして。
出先で武器が壊れると大幅な戦力ダウン。町へ引き返して武器を際購入して出費が嵩んだり。
この辺は前作のシステムを意識したのかもしれませんが、蛇足かなと。
前作は武器が壊れるのが面白い訳じゃなく、耐久性を考慮して進める思考、システムが楽しい訳で。
攻撃の命中率が気持ち低い様な…攻撃ミスがチョイチョイ見受けられました。偶然?
戦闘で苦戦を強いられる事はほぼ無し。バランスは全体的には適度と言えましょう。
戦闘時に各キャラクターが掛け声を上げ攻撃するのも前作譲り。演出として一役買ってます。
魔法のネーミングは、特に攻撃補助系が覚えにくく。これは個人的な印象ですが。
物語は特別良くも悪くも無く。あまり意識せず、安定かつ実直にゲームを進めてました。
と言いつつ、エンディングでヒロインの件、仲間の成長を感じられたのは嬉しかったな。
船に乗った時に流れる曲が好きで、長時間聴いていたりも。
独創性云々とネガティブな事を思いながらも、安定して楽しめたヘラクレスの栄光2。
システムや物語に派手さは無くも押さえ所はキチンと押さえて、多くの人が楽しめる作風は好印象。
続編の『ヘラクレスの栄光3』にも期待してますよ。今から楽しみ。
- メーカー:データイースト
- 発売日:89年12月23日
- メディア:カートリッジ(2Mbit+バッテリーバックアップ)